「ドキュメンタリーは嘘をつく」森達也

 テレビのニュース番組やドキュメンタリーは真実を伝えているのか。疑問に思ったことはないですか。この本によるとニュースとドキュメンタリーは水と油ほどにも違うものだそうで、そのどちらも「生の真実」を伝えうるモノではないという。
 帯には

「公正中立な視点」とは危うい神話でしかない。事実と虚構の境界を敢えて踏み越え、確信犯的にカメラを回すことの覚悟とそれ故にひらける豊潤な地平とを見据えた世界の見方を揺さぶる鮮烈な論考

 …とかいてある。とにかく、メディアはどんなものであれ、それを記録し編集した者の視点、偏見(ときにはこれが大きい)、立場などなどによって再構築された「事実」が伝えられるに過ぎない。そこには必ず人間の「意思」が介在していることを忘れてはならない。
 とまぁ、難しいことを言うよりは、どんなものであれ、情報をそのまま鵜呑みにしてはいけないってこと。特にインターネットに流れている情報は「あやしいぞ」と思いながら見るくらいの余裕は欲しいものだ。