新都立大の学長

 西澤先生は私の尊敬する先生の一人だ。といっても、直接授業を受けたわけでもないし、お会いしたことさえない。
 しかし、テレビなどでお話を聞いたり、ドキュメンタリーを見たりして、その教育方針や研究に対する取り組みには敬服している。こんな先生の元で研究できれば力はつくだろうなと思ったものだ。東北大学は遠すぎた。

 さて、今度新しくできる都立大学の学長になられるようだ。良いことだとは思うが、東京というのが気に入らないのと、さらにその大学が都知事の肝いりというのはもっと気に入らない。「東京」がいつまでも「首都」であるまいに…。それをことさらにつけてくるところがイヤらしい。

 西澤先生は光ファイバーの特許を非常に早期に申請していたのだが、間抜けな特許庁の役人がそれを認めなかった。そして今、アメリカの光ファイバーの特許に対して莫大な金額を払わなければならない状況に陥っている。ファイバーはこれからも伸びる。損害は鰻登りだ。

 せっかっくの頭脳を、せっかくの発明を、せっかくのチャンスをつぶしてしまう無能な役人どもよ、役に立たないのであれば「役人」になるな。
 そして、たいていの場合、役人や政治家の愚かな、そして重大な判断ミスは誰も責任が問われぬまま、多くの陰でなく国民を余所に、忘れ去られていく…。腹の立つ話だ。