偏差値神話!

イコカモノハシ

ドン・キホーテ」(本社・東京都江戸川区)が今年5月17日から「偏差値40以下の高校出身者は採用不可」などとする社内基準を作り、これに従って採用を実施しているとの内容。社内基準に添付されているという「要注意高校リスト」も掲載し、東京都、神奈川県それぞれ100校以上の実名と学校別の偏差値が記されている。

 入学するときに「活用」するだけではなく、卒業後の採用についても会社が「活用」するというのか。
 いわゆる勉強がとても苦手でも社会に非常にうまく適応できて、生きていくのはまず間違いなく上手だと思える人を数多く見てきた。逆にいくら点数がとれても社会的に問題があったり、人間関係がうまく築けなかったり、テストで点数はとれるが、そのほかの応用が全く利かない人間もいる。
 採用試験で、面接でじっくり人を見ることが必要だろう。それを手抜きして、楽に人選しようとするから、こんな事件が出てくる。
 テストで点数がとれても現場で役に立つとは限らない。現場ではどんな人材が必要なのかをもっと見つめ直して、人をとることを考えると、人事ももっと見えてくるのではないか。
 最近よく教師が問題を起こしたと報道されるが、それを採用した間抜けな教育委員会の話は出てこない。テストの点数とほんの少しの時間の面接でどれだけ人がわかるのか。
 未来を担う子どもたちを育てていくという使命を帯びた人間を採用する訳なのだから、もっと採用試験に真剣に取り組んでもらいたいものだ。
 少くとも問題教師を採用した、あるいはその面接に関わった「見る目」のない教育委員会関係者には即刻辞表を提出してもらいたいものだ。それくらいの覚悟で人を選んでほしい。
 「人事権」という特権を得たものはその重責を認識してほしいものだ。権利ばかりを求めて、義務を忘れてしまうのはよくあるのとなのだが…。
責任者、出てこい!