いわゆる理科離れは国が作っているって?

 政治家さんたちよ、何を考えているんですか。

理科離し=元村有希子
 この国は科学技術で生きていく、だから子どもの理科離れを何とかしようと国は旗を振る。その一方で小学校の理科の授業時間数は、25年間で約4割減った。子どもは実験や観察が大好きだが、「ゆとり教育」で真っ先に削られた。
 学ぶ環境も豊かではない。実験・観察に必要な器具を、公立小学校がどの程度そろえているか、文部科学省が04年に調べたところ、基準に対する充足率は23%だった。例えば光学顕微鏡はクラス全員が「1人1台」で観察できる41台あるのが望ましいと基準は定める。しかし実際には平均12台しかなかった。
 不思議なことに、この基準を決めたのも、買う金を出し渋っているのも国なのである。
 基準は「理科教育振興法」に基づいて国が定める。学習指導要領を実行できる機器を学校が買えるよう、国は支援する義務がある。ところが、10年前には35億円あった国の補助金が、今年度は13億円まで減った。
 背景にあるのは「三位一体の改革」だ。国が補助金を減らしたら、地方自治体は顕微鏡より福祉や介護に金を回した。現状はもはや、理科離れというより行政による「理科離し」である。
 ここまで形骸(けいがい)化した基準自体、適切なのか。現場の意見はさまざまだ。「機器がないからいい授業ができない」という声に交じって「創意工夫すれば、機器がなくてもいい実験はできる」という教師もいる。
 別の調査では小学校教師の6割が「理科が苦手」と答えた。これでは創意工夫にも限界がある。「理科離し」に付き合わされる子どもが気の毒になる。(科学環境部)
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/hassinbako/news/20070822ddm002070106000c.html

 日本は科学技術立国をめざすのではないのか?
 なのに、ここに書いてあるような教育政策でその科学技術が振興するとお考えなのか?
 おそらく、一部の科学エリートだけを育てればいいと考えているのだろうが、それではダメなんだよ。人口が10倍の中国がすぐ後ろまで迫っている。
 人口が10倍ってことは賢い人間も日本の10倍いるわけだし、その中には日本ではとても想像できないようなとんでもなく賢い人間も出てくるのだ、統計的にね。
 そんな国々と勝負をしていかなければならない、いやリードを続けて行くにはだからこそ、中国の10倍以上の努力をしなければならないのだ。
 今の年寄りの政治家たちが生きている間は何とかなるかもしれないが、そのあとは?
 年寄りの政治家は20年、30年先の未来のことなど考えていない。特に教育を担当する大臣は若い人にやってもらいたいものだ。
 理科の時間数を増やす、先生を増やす、予算を増やす。
 実験などは工夫でできる部分もあるだろう。でもね、そんな工夫をしている余裕もないのが今の教育現場なのではないのか。心身を病んでいる先生の数を見ればその現状の悲惨さがわかろうはずだ。なのに、予算は削られる一方。教育に金をかけない国は滅びるよ。今、瀕死の状態なのだ。このままでは、本当に30年後の日本は…。
 
 私は理科はおもしろいと思う。理科ヲタだからね。それをひとりでも多くの人に伝えたいと思っているんだけどね。