吸血コウモリ

 吸血コウモリで死者*1
 子どもの頃、吸血コウモリは怖いものだった。血を吸われて死んでしまうのだ。あるいは、自分もドラキュラになってしまう運命なのかと…。
 星新一ショートショートにあった。吸血鬼に血を吸われると自分も吸血鬼になり、どんどんドラキュラが増えていくのだが、最後の一人の人間になったとき、周りのドラキュラがみんな牽制して、誰も手を出さなくなる…なんて話。
 中華料理を食べていて、餃子が最後の一つになったとき、誰も手を出さなくなって残ってしまうという、あの現象の人間バージョン。

 閑話休題
 吸血コウモリに血を吸われても、普通は死ぬことはないということを知ったのは大人になってからだろうか。しかも、日本にはいないようだし…気にしなくなっていた。そもそも普通のコウモリでさえ、最近、とんと見かけなくなった。子どもの頃は、夕方薄暗くなると飛び回っていたのに…。
 そんな吸血コウモリで人が死んだというので気になった。原因は血を吸われたというより、狂犬病の感染。
 これは恐ろしいな。狂犬病は発症したら死亡率100%だそうだ。発症する前にわかった場合は狂犬病ワクチンと抗狂犬病ガンマグロブリンを投与する。しかし、抗狂犬病ガンマグロブリンは日本では入手困難だそうだ。(相変わらず危機管理の足りない国だ)
 コウモリの狂犬病が見つかって以来、これまで狂犬病フリーだった国も安全とは言えなくなってきているという話だ。日本も油断していられないってことだけど…。そんなコウモリが1匹でも日本に来たら、どうなるの?