創作について考えてみた

 A木さんとT田さんと一緒に創作についていろいろと考えてみた。
 今は知らないが、昔の作文教育は教育になっていなかったと思っている。少くとも文章の書き方をきっちりと教えてもらった記憶はない。
「思った通りに書きなさい」と何度も言われたが、思った通りに書けるものなのか?もし書けるとしたら、その人の思っていることは非常に単純な構造をしているのかと思った。だって、小学生の私でさえ、たとえば遠足のシーンを思い出したとき、そう簡単に頭に浮かんだヴィジュアルなシーンを文字で表現することはとうていできないことが分かった。情報量が違うのだ。
 取捨選択をしなければ、というかもしれない。だったら、そのあたりのことをきっちりと説明してこそ作文の教育だろう。いきなり原稿用紙だけを渡して「遠足の作文を書きなさい。思った通りに書けばよいのです」だけで書けるようになるわけがない。

 話は飛んで。アメリカには脚本家や作家向きの内緒の本があるらしい。たいていのヒーローもの、ファンタジーものはなんだかんだと言いながら筋が似ている。登場人物のキャラクター設定も似ている。根底にはギリシャやローマその他の神話が関係していて、似ていても仕方がないなぁと思わせながら…。
 The Writer's Journey (Christopher Vogler著)2226円@amazon
 ASIN:0941188701
 本書がその一つらしい。副題に「作家のための神話の構造」とあり、神話に登場するキャラクターの特徴、主人公の冒険の基本的な流れなどについて書いてある。(現在積ん読中)
 スターウォーズロードオブザリング宇宙戦艦ヤマトも基本的な構造は同じなのだ。時と場所とキャラクターの名前が違うだけなのだ。こう断言してしまうと「それは違う」というかもしれないけど、そう言う人は上記の本を読んでみれば分かると思う。

 話は更にワープして。日本の漫画ではまた違った意味でお約束がある。それぞれのキャラクターが使う言葉である。「〜なのじゃ」というと、長老や博士などの主人公を助けたり、主人公を目覚めさせる訳を担当するね。「〜ってよ」と上品に言えば、「お嬢様」。こういったステレオタイプの言葉遣いがキャラクターを表す。
 これをまとめたのが「ヴァーチャル日本語 役割語の謎」(金水敏 著 1575円)という本だ。
  ASIN:400006827X

 これらの本は前にも紹介した十も受けど、今回の話の流れで再掲しました。

 つまり、物語を書くという場合には、これらは基礎教養として知って置いても良いかもしれないってことで…。
 他にも、句読点の使い方、同義語の使い分け、さまざまな辞書が役に立つかなという話。

 で、今一番欲しいのは、暮らしのことば擬音・擬態語辞典 (山口 仲美 編集)だ。3990円がちょっと痛い。
暮らしのことば 擬音・擬態語辞典

 数多の文章読本をぶった切った「文章読本さん江」斎藤 美奈子著はなかなか痛快。
文章読本さん江 1785円

 などなどの話をしましたとさ。