<IEA学力調査>得意の理科も学力低下 文科省も認める

 国際教育到達度評価学会(IEA)が03年、各国の中学2年生(46カ国・地域参加)と小学4年生(25カ国・地域)の学力を調べた国際数学・理科教育調査(TIMSS)で、世界トップレベルとされてきた日本の小4理科と中2数学の平均点が前回(小4は95年、中2は99年)から下がったことが分かった。小4理科は553点(2位)から543点(3位)へ、中2数学は579点(5位)から570点(同)へと統計的な誤差の範囲を超えて下がった。高校1年生の読解力が下がった経済協力開発機構OECD)の03年学習到達度調査(PISA)に続き、学力低下が浮き彫りになった。

 家の小学生の息子を見ていても、宿題で漢字や計算の圧倒的な量で辟易しているような様子はない。つまり、なんだかんだといって、練習量が少なくなっている。それはとりもなおさず、漢字の力、計算の力がつかないことを意味する。学校での学習量が減り、宿題も少なく家庭での学習量も増えることなく、ただ遊び時間だけが増えたとしたら、アホになるはずだ。当たり前のことだ。それを文科省は分かっていなかったようだ。
 終5日制にしたときだって、増えた休みの土曜日に塾などに行かせないようになどとたわけたことを言っていたが、今では結局、お金があって塾に行かせられる家庭だけ学力がつき、差を付けられるという、学力を金で買う時代が来てしまった。しかも、国立大学の授業料は鰻登り。文科省には明治時代のことを思い出して欲しいな。
 これから国を作っていこうとするとき、人材をいかに育てるかを真剣に考えれば、国立大学の授業料はただにすべきだ。その代わり入学を難しくすればいいし、駅弁大学はなくせばいい。誰もが大学に行ける時代など無意味だ。今は不景気だから、学生という身分を作って、モラトリアム期間を延ばしておくのも手かもしれないが、本当の意味での「人材」を育てることを国は考えてはいないようだ。
 ポリシーがない。狭い国土、ほとんど無い地下資源、だが、人間だけはけっこういる。つまり、この国は人間が資源の国である。だったら、その資源を有効に活用できるように「開発」すべきなのだが、何を考えているのか、「ゆとり」教育。現場では誰もゆとりがない。あれは、「総合的な学習」という名前で「ゆとり」と言いながら現場人間のリストラをしたって現実をみんなが知らされていないだけなのだ。
 より少ない人数で同じ規模の学校を運営しなさいと言うことなんですよ! 忙しくなるに決まっている。大人が忙しけりゃ、子どもも落ち着いていられるわけがない。

 教育を取り戻して欲しい。円周率が「およそ3」などという教育をうちの子に施して欲しくはない。「3.14」の神秘を感じさせるのが教育とちゃうか?>間抜けな文科省役人ども